店舗改修工事③

昨日、最終工事の窓格子取付け作業を終えオーナーへ引渡しとなりました。
『雑貨店』を計画しているオーナー。
自身が先祖から譲り受け大切にしている骨董家具を活用し店内の雰囲気づくりにしたいと話していた。
開店予定は地元大祭が行われる今月後半辺りを考えているそうだ。
それでは店舗改修工事、現場最終報告です。

【外部・改修前】
【改修後】


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【内部・改修前】                     
【改修後】
既存 床板を取払い店舗土間へ。
壁は漆喰仕上げとなっています。

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矢切下部の屋根裏小屋には南北にスティール面格子の付いた味わいある小窓があり、この窓からの光を店舗内部へ導けないかとイメージ。
オーナーは既存天井でと考えていた様ですが、取りあえず一旦この天井を剥してみることを提案させて頂きオーナーの賛同を得て、この吹き抜けの大空間が実現しました。
また120年前の造りで梁間距離が大きく不安があった為に束を足し、新しく火打ち梁を設け耐震補強も併せて行っています。
【天井・改修前】
【改修後】
オーナー立会いの下、照明器具の取付けが行われました。
照明を点けると漆喰壁がまるで映画スクリーンの様。
漆喰壁には梁の陰影がきれいに映し出されます。

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【耐震補強】
この場所には沓石が2つ設けられそれぞれに柱が立っていました。
既存柱2本に加え更に1本の柱を足し沓石を覆うよう基礎部分を新に立ち上げて壁を作り上げる事で耐震補強を行いました。
この漆喰壁も店内の雰囲気づくり商品のディスプレイに一役買いそうです。
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【職人の技】
新たな間口に合わせるため既存建具をリメイクして再活用し店舗表の顔に。
雨戸も既存骨組みを残し活用し作り替えたものです。
『先祖から譲り受けた物を大切に守っていきたい』というオーナーの想いに共感し、私共の技術をもって出来うる限りの協力をさせて頂こうと提案させて頂いた部分でもあります。
店舗出入口も間口を高くし、オーナーからの注文で戸袋は鎧張りに。
材は杉の赤柾を使用。
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長生村・信友の現場①

連日、猛暑が続いています。
いよいよ8月も最後の週に入りましたね。
お盆を過ぎるとアッと言う間。。。早いものです。

さて地鎮祭後、初回現場報告となります。
地盤改良工事から始まり、現在は基礎工事完了となっています。

いつもながら型枠から外れたばかりの基礎を目にする度「まるで羊羹の様だと・・・」


ブログには幾度と登場している基礎屋の親方。
この炎天下のもと、労を惜しまない仕事ぶりと熟練した技術がなせる業。
この仕上がりこそが親方の仕事に対する心意気だと、 毎回基礎屋の仕事に惚れ惚れさせられるのです。
この様な職人たちに『木組の家づくり』は支えられています。

 

 

 

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長生村の現場⑥

立秋を過ぎた辺りから時おり秋めいてきている様に感じませんか?!
まだお盆前だというのに。。。
「今年は台風の当たり年にならなければいいが。。。」
おかしな陽気にそんな不安さえよぎります。

さて、長生村の現場報告です。
お盆休み前の昨日は板金屋根工事と電気配線工事が入り賑やかな活気ある現場となっていました。

 

 

 

 

内部では断熱材、床下地工事に取り掛かっています。

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旭市の現場⑤

旭市の現場。
設計事務所との定例打ち合わせです。
工事は外壁下地工事をほぼ終えた所となっています。

 

窓から臨む景色。
まるで額縁におさめられた風景画の様です。
「窓は窓、壁は壁」と話していた設計者の言葉。

「なるほど。。。」
設計者の潔ささえ感じます。


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旭市の現場④

暑い日が続いています。
里山の集落に佇むこちらでは裏山から流れ出る湧水の音が涼を感じさせてくれています。
さて、工事は屋根下地張り工事が完了。
軒の出は110。 最近の住宅ではあまり見かけなくなった化粧造りです。
職人が造りだす日本建築の美、そのうちの一つではないでしょうか。
昔から板の張り方にも決まりがあり、赤身が多く腐りにくい木の根元の方を軒先に向け時計回りに張っていきます。
見ての通り細かな作業ですので張り手間もかかります。また仕入れた材を現場で使うまでには作業所での加工、いわゆる『段取り』と言われる裏方の作業も必要となってきます。

2階部分から臨んだ里山の風景。
黄金に色づく前の田んぼの緑、草木の緑、いい眺めです。
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旭市の現場③

上棟を迎えました。
大まかな構造はプレカット加工となりますが、差し鴨居及びその兼ね合い箇所は職人の手刻み加工によるものです。
また、探し求めた『杉材の差し鴨居』も構造材として収まりました。

最近では一般的に上棟式も簡素となり五色旗を揚げる機会も少なくなりましたが、この日の上棟式では五色旗を揚げる事となりました。
神様とされる五色の旗を夜露にさらしてはならないと言われており、中央の赤色の旗は大工が、そして他の色(紫⇒鳶・基礎屋、白⇒材木屋等々)工事に係わる下職達が持ち帰るのが習わしとなってきました。
また、昔からこの様な話もあります。
五色旗の神様は女の神様なので大工が持ち帰った赤い旗で腰巻を作ると子宝に恵まれるとも言われており、大工は子宝にあやかりたい女性にこの赤い旗を差し出すという意味で家の玄関先に掲げたのだそうです。翌朝、玄関先に掲げた赤い旗が無くなっていれば「またどこかで元気な子供が生まれてくる」という訳です。
昔の大工は子宝成就・子孫繁栄に一役買っていたのかもしれませんね。

さて、お天気は梅雨が明けたのでさほど心配はいりませんが、今度は屋根を覆うまで厳しい暑さとの闘いとなりそうです。

 

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長生村の現場⑤

ようやく上棟を迎えました。
午前は小雨降りしきる中での作業でしたが、午後は徐々に梅雨の晴れ間が広が
ってきました。

上棟前の土台廻しから順に写真でご紹介しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軒の出はタップリ150。
施主からの要望でもあります。

今回こちらの建物は職人が墨付け・手刻みで加工した材です。
職人が墨で記した番付、法隆寺の建築にもみられる古代の鎌継手。
そして込栓。金物は一つも入っていません。

 

 

 

 

 

 

 

 
これが古代から脈々と受け継がれてきた大工の仕事です。また後世へ継承してもらい
たい大工職人の技術であり在来工法です。
しかしながら一般的にプレカット加工が主流となってきている現代。
古代建築や大工の口伝が私達の教科書となりお手本となった様にまた次世代 を担う大
工へ教え伝えていかなければ、という思いと、また一方ではこのプレカット加工に頼
らざるを得ない厳しい現状とに直面しています。
実際、この現状が大きな障害となり職人に経験を積ませる機会が減り、大工が育たな
い 時代となってきているのです。
大工と言えども、その誰しもが棟梁としての技量を持ち棟に立てる訳ではありません。
しかし大工 になったからにはやはり棟梁を目指して努力をしていって欲しいのです。
師弟の盃を交わしたかわいい弟子の成長を願い、その機会を与えてやるのも親方である
私の役目なのです。

さて、この後数日間で屋根工事も進んできていますが、今日は施主と色々な建物の
屋根見学に出掛けた所です。板金屋根の葺き方や色は何にするか?等、施工例を目
の前 に説明・打ち合わせです。
どうにか防水シートを張り終えるまで。。。とお天道様に祈るばかりです。

 

 

 

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店舗改修工事②

店舗改修工事、現場報告です。
昨日、破風板に使う杉の赤身板を材木屋へ買いに行ったが、あいにく 欲しかった大きさの赤身板はないとの事であった。
「それなら木裏でもいいよ。」と私。
「木裏を使うなんてニクイね〜。今どきそんな事言う大工さんはもういないよ。木組さんくらいだね。」と材木屋の社長。
ニクイ事を言ったつもりはないのだが。
木は樹皮に近い方を『木表』、木の芯に近い部分を『木裏』と言う。
『木表』よりも『木裏』の方が赤身が多く腐りにくく丈夫であると言われている。
『木表』を表とする使い方が真の木の生かし方ではないという事もある。
時には『木裏』が表になり得るという事もあるのです。

さて、外部工事ではその『木裏』を使った破風板取付け工事が行われています。


 

 

 

 

一方内部でも秋田杉の上り台が取付け完了となっており、あえて表面の木目がきれいに浮き立つ様にうづくりで仕上げています。〔更に写真を拡大して頂けるとより鮮明にご覧いただけます。〕
次の主となる大きな工事は入口開口部大鴨居の取付け工事となります。
もともとこちらにあった建具と雨戸をこの開口部の高さに合わせ私どもでリメイクさせて頂いております。報告はまた改めて。

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地鎮祭

長生村・信友の現場。
お天気が心配され一昨日よりテントを張り備えておりましたが、
その頃にはすっかり雨も上がり汗ばむほどの陽気に。
この日は奥さんのご実家のご家族も地鎮祭に揃って参列され工事の安全を祈念しました。


昨年土地探しからお手伝いをさせて頂きましたが、ようやく地鎮祭までこぎ着けた事に施主さんご夫妻も安堵の様子でした。
地鎮祭の後は施主さんご夫妻と私とでご近所のお宅へ挨拶回りです。
建物はスキップフロアーを活用した一風変わった間取りとなっています。
どうぞお楽しみに。

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長生村の現場④

今日はとうとう梅雨空が戻ってきましたね。
地盤柱上改良後、配筋検査を無事終え、昨日基礎ベース工事完了となりました。
この芸術的な配筋。
数々の現場を回っている検査員も驚くほどの精巧さ。
コンクリートで覆ってしまうのがもったいない。。。そんな気さえします。
施主のおやじさんも「餅が焼けそうな位だ。ここまでやってくれるとは安心だ」と喜んでくれていた。

 

 

 

 

生コン車、ポンプ車共に到着。
朝一番8時半から基礎ベース工事開始です。
メンバーは気心知れたいつもの顔ぶれ。
いつもながら私も長靴を履き応援に駆け付けます。
生ものを扱う作業ですから時間との戦い、阿吽の呼吸でもくもくと作業が進んでいきます。
約25㎥を2時間半で流し完了。

流し終えただけでこの日の作業は終わりではありません。その後、左官職人が2度3度とコテを使い全体を隅々まで撫でて仕上げていきます。
お昼を当に過ぎても左官職人たちの作業が続いていました。

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