桜の花が咲く頃、岸壁の母が旅立ちました。
本気とも冗談ともとれぬ話をとんちを利かして面白おかしく話すのが上手な人で人を笑わすのが上手かったと。周りの人達は口々にそう話していた。
どうやら仲間内ではムードメーカー的存在であったらしい。
私が大工の見習いとして働き始め2年目くらいだったでしょうか。一人前の大工となるまでに修得する技術の多さ、また果たして自分は棟梁としてやっていけるのだろうかという不安。今考えると早く一人前にならなけらばという焦りもあったのでしょう。
そんな時でした。
「男が一度足を入れた世界、途中で投げ出すとはみっともない。そんなんじゃ親父に笑われるよ。どんなに小さな家でもいいから 家1軒をまとめられる様になってから辞めても遅くはない。それでも辞めるのであればネオン街に行こうと何をしようとお前の自由だ。すきにしろ」と。
何ともお袋らしい叱咤激励でした。
家一軒をまとめ上げる棟梁としての醍醐味をお袋は私に教えたかったのでしょう。
それから32年。
今の私がこうしてあるのは間違いなくお袋のあの言葉が私の道しるべとなっていたのだと感じています。
そんなお袋の口癖は「あんとんねぇ」この辺りの方言で「大丈夫」という意味です。
どこかで「あんとんねぇ」と言いながら見守ってくれている。。。そんな風に思っています。
さて一方、現場も忙しく回っています。
今週は母屋解体工事が長生村と旭市の2現場で行われます。
長い休みを頂きましたので『こまめにブログ更新』といきたいものです。