ようやく上棟を迎えました。
午前は小雨降りしきる中での作業でしたが、午後は徐々に梅雨の晴れ間が広が
ってきました。
軒の出はタップリ150。
施主からの要望でもあります。
今回こちらの建物は職人が墨付け・手刻みで加工した材です。
職人が墨で記した番付、法隆寺の建築にもみられる古代の鎌継手。
そして込栓。金物は一つも入っていません。
これが古代から脈々と受け継がれてきた大工の仕事です。また後世へ継承してもらい
たい大工職人の技術であり在来工法です。
しかしながら一般的にプレカット加工が主流となってきている現代。
古代建築や大工の口伝が私達の教科書となりお手本となった様にまた次世代 を担う大
工へ教え伝えていかなければ、という思いと、また一方ではこのプレカット加工に頼
らざるを得ない厳しい現状とに直面しています。
実際、この現状が大きな障害となり職人に経験を積ませる機会が減り、大工が育たな
い 時代となってきているのです。
大工と言えども、その誰しもが棟梁としての技量を持ち棟に立てる訳ではありません。
しかし大工 になったからにはやはり棟梁を目指して努力をしていって欲しいのです。
師弟の盃を交わしたかわいい弟子の成長を願い、その機会を与えてやるのも親方である
私の役目なのです。
さて、この後数日間で屋根工事も進んできていますが、今日は施主と色々な建物の
屋根見学に出掛けた所です。板金屋根の葺き方や色は何にするか?等、施工例を目
の前 に説明・打ち合わせです。
どうにか防水シートを張り終えるまで。。。とお天道様に祈るばかりです。